先祖供養と葬送儀礼

先祖供養と葬送儀礼 

第1篇 先祖供養を探る

現代人と先祖供養  花山 勝友
日本人の先祖供養観 五来 重
寺檀制度と先祖供養 長谷川 匡俊
霊の山の死霊供養 戸川 安章
神道における死と祖先崇拝と 上田賢治
中国の先祖供養 安居 香山
インドの先祖供養 奈良 康明
東南アジアの先祖供養 和田 謙寿
イスラームの葬送儀礼と先祖供養 片倉ともこ
キリスト教の追善供養 松濤 弘道

第2篇 日本の葬送儀礼

先史古代の死後処理と思想 國分 直一
古代日本人の他界観ともがり殯 和田 萃
日本の葬送の種類とその特徴 藤井 正雄
海外諸民族の葬法 和田 謙寿
異常死者の葬法 宮田 登
墓の歴史 白石 昭臣
日本仏教と葬制 五来 重
名僧の葬送観 花山 勝友
死霊をめぐる習俗 井ノ口 章次
女性と葬式 佐藤 米司

尊明  最近は、宗派や檀家に関して問い合わせが多くあります。

Q:母の宗派は、「曹洞宗」なんですが、父の宗派は、「日蓮宗」です。この場合、母が亡くなった場合、何宗の宗派のお坊さんにお願いすればいいのでしょうか?ちなみに、私は無宗派です。

日本は、「家の宗教」といわれ、先祖が○○宗だから、私も○○宗 という不思議な宗教観があります。

では、なぜ自分の所属する宗派になったのでしょうか?
信仰と言うのは、その教えに従うことになりますが、○○宗の教義は?教祖は?主たる経典は?
と聞くと、????????チンプンカンプンのようです。

それをちゃんと説明しようと、私が大正大学時代に読んでいた本を引っ張り出してきました。

これには、たくさんの学者が寄稿しており、大正大学の恩師 藤井正雄先生も執筆されています。

さて、淑徳大学 長谷川 匡俊教授は、寺壇制度について下記のとおり書いておられます。

「寺壇制度は、キリシタンを禁制した幕藩体制が、かくれキリシタンを摘発するために設けたもので、すべての人々に檀那寺をさだめさせ、檀那寺に各人がキリシタンではないことを証明させる制度であり、寛文(1661~72年)初期には全国的に宗門人別帳を提出させるようになっていった。

寺請制度の最初の目的はキリシタン禁圧にあったが、時代がさがるに従って、幕藩体制を批判する宗教の、つまり日蓮宗不受不施派・悲田派の禁制に用いられ、さらには戸籍台帳的役割を演じた(圭室文雄「江戸幕府の宗教統制」)

こうして幕藩権力による寺請制度の実施に伴い寺壇関係が強化され固定化していくことは、寺院経営にとってきわめて好都合なことであり、寺院の年中行事や檀家の先祖供養(年忌命日等)が盛んに行われるようになっていった。」

とされています。
ということは、その地域の寺に、幕府の命令で強制的に所属させ、管理させたことが始まりであるようです。
「坊主にくけりゃ袈裟までにくい」ということわざがありますが、戸籍を管理することによって寺は権力も有するようになります。

また、宗派が違うと、成仏しないのでは?あの世でけんかするのでは?と心配される方があります。

仏教は、お釈迦様からはじまり、多くの宗派の教祖さんは、天台宗 比叡山で学んでおられます。
曹洞宗の道元さんも、日蓮宗の日蓮さんも、浄土宗の法然さんも、浄土真宗の親鸞さんも、臨済宗の栄西さんも
比叡山で学び、その中から、「禅」「法華」「浄土」に分かれていくのです。
どうしてそれが、成仏しないということになるでしょうか?

ちなみに、当院は、天台宗系 単立のお寺です。
(単立のお寺で有名なところでは、平等院  高山寺  清水寺  總泉寺  鎌倉長谷寺 法然院 鏑射寺 秋篠寺などがあります。)

当院は、仏教はひとつであると、「宗派」や「檀家」にとらわれなお寺です。

お寺の住職によって考え方はさまざまです。
近くにあるから、先祖と同じ宗派だからといって決めた後、お寺との付き合いが大変になったという話も聞きます。

こんなことを言われた事があります。「お寺の建物は古いですか?新しいですか?」
はて?寺の歴史ではなく、建物がどうしたのだろうとお聞きすると

「建物が古いと、すぐに改築改装しなければならない。そうなると檀家になればたくさんの寄付を求められます。
ですから、檀家になるには、最近本堂を直したというお寺がいい。それなら寄付は少なくてすむ」

なるほど。と感心した次第です。

しかし、当院は、檀家制度・会員制度という形をとっておりません。

当院で戒名を授かったからといって、強制されることは何もありません。

当院から、一切の寄付を求めることはありません。

檀家・会員としての義務はございません。
法要に出なければならないとか、やらなければいけないとか、一切の強制はございません。

当院からの案内は、年に1回 お盆の合同法要のみです。
不要の方には、一切の連絡はしておりません。

年忌法要など、希望される場合は、みなさんから申し出てください。当院からは案内しません。

当院は、そんな、ゆるい関係のお寺ですので、どうぞご安心ください。

そんな考え方のもと、活動しておりますので、賛同される方のみお申し出ください。

これから新しくお寺を選ぶ場合、

  「宗派や格式で選ぶより、住職で選ぶ」と言われたいと考えています。

先祖供養と葬送儀礼」への2件のフィードバック

  1. 2年前の12月に兄が孤独死いたしました時に、助けていただきました。戒名もご指導いただき金額も安くて本当に感謝しております。その時戒名の文字数で供養する事ではなく、故人を忍び供養をする事が一番大事とお電話で教えられました
    私も70歳妻も歳になり子供もなく、お墓は以前九州の田舎に作りましたがそれも甥に渡しています。こちらに夫婦して入る墓もなく、又供養してもらう人もない状況ですが、この様な夫婦の場合どの様にすれば宜しいのでしょうか。
    恐縮ですがご指導いただければ助かります。
    以上宜しくお願い申し上げます。

    • お寺で、永代供養をお願いされると良いでしょう。
      もちろん、当院でも行っておりますが、近くのお寺様など、仏縁をお持ちになるのもよいでしょう。
      三浦 尊明